レイアウト日記 ~「切り通しの風景」の巻~
今回は「集合式単線ミニモジュール」(略して「単モジ」)編を…。
(画像をクリックすると拡大するよん)
これは、「特攻野郎Bチーム」の展示用に制作したもの。
コンパクトにまったりとローカル風景などを楽しむために、この「単モジ」が生み出された。
ボードのサイズは278mm×190mm。高さは60mm。
Bチームのオリジナル規格だ★
この作品は、信州・白馬地方を走るJR大糸線をイメージ。
今回も作り方を詳細にご紹介していこう。
楽して作りたい方、必見だぞよ★
(→こちら「桜のある風景」も併せて参照されたし。この2つを読めばレイアウト(ジオラマ)は作れる)
まずは地面の線路を敷く部分の周辺に茶色を塗ろう。
これは水性塗料の「マホガニー」(こげ茶)を使用した。
(塗料の詳細は後述)
茶色は、はじっこ部分はボードの側面にも少し掛かるように塗るのがポイント。
次に、線路を固定しよう。
(画像をクリックすると拡大するよん)
TOMIX(トミックス)製の線路を使用。
レールは、そのつなぎめにある金属ジョイントは外しておこう。(理由は後述)
線路はゴム系のボンドで接着した。
釘は使用していない。
裏側に飛び出て危ないしね★
今回は線路配置を「変形バージョン」にした。
なので、通常の直線のほかに曲線(半径R140mm)が入った。
線路は既製品の組み合わせだけではボードにピッタリ収まらなかったため、直線の線路を切って縮めたりしている。
ボードの左右で線路の位置が異なってしまうため、元の位置に戻す「相棒」が必要となる。
(画像をクリックすると拡大するよん)
この2枚を一緒に使えば、みんなから「つながらなーい」とクレームが来ることはナイ★
まずは、レールどうしの接合部分(外側の側面)をハンダ付け。
(画像をクリックすると拡大するよん)
赤い↑矢印の部分がそうだ。(写真は、すでに線路に色を塗ってしまった後だが…)
金属のジョイントにはハンダが付かないので、あらかじめ外しておいて線路を板に接着しておいたからね。
ハンダ付けが済んだら、レールを塗装する。
(画像をクリックすると拡大するよん)
塗料は「水性ホビーカラー」を使用。コレを筆で塗る。
色は、地面は「マホガニー」、レールは「ウッドブラウン」にした。
レールの色は、好みで「ラスト(さび)」などを使用してもイイ感じに仕上がる♪
水性塗料は害も少なく臭くもナイので、夜などでも思い立ったらすぐに塗装出来るので、タイヘン便利♪
筆も、水かぬるま湯で洗えばカンタンに塗料が落ちる。
絵の具のような感覚だ♪
ただし、必ず換気はしておこう。
塗料は「半光沢」なので、「フラットベース」を少量混ぜて「つや消し」にしておいた。
(「ウッドブラウン」のみ。「ラスト」は元からつや消し。「マホガニー」は地面用なのでそのまま塗った)
レールの両端の金属ジョイント部分(赤い↓矢印の、隣のボードとつなげる端っこ部分)は塗らないこと。
(画像をクリックすると拡大するよん)
ジョイントの中(黄色い↑矢印)に塗料が入ってしまうと、電気が流れなくなってしまうのでね★
塗料が乾いたら、レールの上面を目の細かい砂消しゴムでこすって、金属の表面を出しておこう。
そうしないと、当然だが車両に電気が伝わらないので走らナイ。
(目の粗い紙ヤスリなどは、線路を傷つけるので使用しないように★)
線路周りの加工が済んだら、地面の加工に移ろう♪
まずは大雑把にプランを「現物」で検討しよう。
(画像をクリックすると拡大するよん)
今回のテーマは「切り通し」。なので線路の周囲に高台を作った。
「ガリガリ君ソーダ味」みたいな塊は、「スタイロフォーム」という、建築用の断熱(スチロール)材。
DIY(ホームセンター)などで売っている。
発泡スチロールや段ボールを使っても、まったく問題ナイ♪
横から見てみよう。
(画像をクリックすると拡大するよん)
なんか、「南極の氷河」みたいだね★
…でも「氷河急行」は走らんぞ。
このスタイロフォームは木工ボンドで接着しよう。
ゴム系接着剤だと溶けてしまうので要注意
これでしばらく乾燥させる。(1日以上がよい)
さて、ここから斜面を切り出していこう。
アタマの中で考えているのと、実際に置いてみたのとでは、大きな違いがある場合がほとんどだ★
細かい位置決めをし、そこを基準に周囲も切り出していく。
切り出しはカッターでゴシゴシやっていった。
(画像をクリックすると拡大するよん)
実物の斜面(「法面(のりめん)」と言う)は45度だ。
特殊な場合は60度まで許されているが、模型の場合は「全体のバランス」で考えよう★
削ったのを横から見てみよう。
(画像をクリックすると拡大するよん)
これでプラン決めはOK♪
さて、いよいよ「地面」を作っていこう。
スタイロフォームの部分には、茶色い画用紙を貼った。
(画像をクリックすると拡大するよん)
これも木工ボンドで貼っていく。
これでしばし乾燥させる。(1日以上がよい)
画用紙がキレイに貼られていたら、次へ進もう。
地面の下地が出来たら、「土」を表現しよう。
(画像をクリックすると拡大するよん)
こんなカンジになる。
茶色い面に木工ボンドをそのまま薄く塗り(ゼッタイに水で薄めないこと)、地面用の「パウダー」を撒いた。
地面は好みで何色を使用してもOKだ。
オラはTOMIX製の「カラーパウダー・ブラウン(ミックス)」を愛用している。
(最近、仕様変更で色調が変わってしまった…)
撒き方のコツは…
1.木工ボンドを原液のまま、指でボードに薄く塗る。
2.大きめの空箱を用意し、箱の上にボードを置き、パウダーをドカッとかける。(ケチらない)
3.パウダーを指でかる~く上から押さえたら、ボードを傾けて、余分なパウダーを全部箱の中に落とす。
4.箱に落ちたパウダーは、タッパー等の容器に入れておく。
これを、地面を作りたい各場所で繰り返す。
パウダーは、この時点では他のスポンジなどと混ざらないので、まったく無駄が出ない。
乾いた時点で「フーッ★」と息をかけて、余分なパウダーを完全に落とす。
この時に上手く撒かれていない部分があったら、追加でボンドを塗ってパウダーを撒いておこう。
これで地面の「土」の工事も完了。
いよいよ「緑化」工事に入る★
まずは、線路の周囲の緑化から。
あらゆる「境目」と「段差」には、たいてい草が生えている。
それを緑のスポンジで表現する。
斜面の草は、「フォリッジ」と呼ばれるスポンジの「ライトグリーン」を使用した。(「ウッドランドシーニクス(KATO)」製)
(画像をクリックすると拡大するよん)
「フォリッジ」は、メッシュ(網)状の繊維にスポンジが付いているもの。
なので、広い面に一気に貼るのに適している。
あとは、線路際の茶色い部分との境に、スポンジを小さくちぎってゴム系ボンドで接着した。
表現したい「季節」によって、草の色は選択しよう。
端面の部分には、緑色の画用紙を貼っておいた。
さて、ココでボードの側面の「お化粧」をしてあげよう。
売り物のようにカッチョエェくなるでぇ~~~★
通常は最後に行うのだが、今回は工程上ココで行っておいたほうが楽なのだ♪
おけしょーに使用するのはコレだ。
(画像をクリックすると拡大するよん)
「フローリングの補修用」として売られている、木目柄のテープ(シール)だ。
ホームセンターなどで手に入り、1個300円程度。
今回はシックな「ダークブラウン」をチョイス。
Bチームメンバーの単線モジュールは、ほぼコレに合わせてある。
これを「ぺろ~~~~ん」と剥がし、ボードの側面に貼っていく。
結構貼りやすくてカンタンだ。
すると…
(画像をクリックすると拡大するよん)
カ~~~~チョエェ★
どうよ
上の写真と比べてチョーダイ★
まるで完成品を買って来たみたいだ♪
この時点で、架線柱も建てておこう。
KATO製の「単線架線柱」を使った。
地面にφ2.5mmの穴を開けて、そのまま差し込んでいる。
さぁココまで来たら、70%以上出来たようなモノ。
斜面と高台の境目から、順にスポンジを貼っていく。
(画像をクリックすると拡大するよん)
まずは、若草色のスポンジから。
端面にも緑色の細かいスポンジを貼っておいた。
斜面には「木」を付けてみた。
木をアップで見てみよう。
(画像をクリックすると拡大するよん)
イイカンジっしょ♪
スポンジだけだと変化がなさ過ぎて安っぽく見えてしまう。
やはり少しでも「凹凸」を付けなければ★
この木の正体は…
(画像をクリックすると拡大するよん)
「ファインリーフ フォリッジ」という素材だ。
これはウッドランドシーニクス製品(KATOで扱っている)。
木をアップで。
(画像をクリックすると拡大するよん)
かなりリアルっしょ★
コレをすこしずつ切り取って、各所にボンドで固定していく。
少々お値段は張るが、効果は「お値段以上♪」だ。
高台の残りの部分にスポンジを貼ろう。
これは、奥に行くにつれて、緑の色が濃くなるようにした。
実際の景色も写真で撮るとそう見えるからだ。
まぁ、カッコつけて言えば「遠近法」だなや♪
他の部分もそうだが、緑色は何色も使っているよ。
今回は緑だけでも8色使ってるッス♪
そのほうがグッとリアルに見えるのだ★
料理と一緒で、「何気ないひと手間」が出来栄えを全く違うものにする♪
さぁ、これで完成だぁ~~~♪
(画像をクリックすると拡大するよん)
…どうだい? イケてるかな?!
あとは、ジオラマを全ての方向から眺めてみて、おかしな部分や残した部分がナイかチェックする。
今まで見ていない方向から見てみよう。
(画像をクリックすると拡大するよん)
線路の曲がり具合がイイねぇ~~~♪♪
最初は「こんな線路配置で、上手く作れるかな…?」と、少々不安だったケド、ぜ~んぜんダイジョーヴぢゃん★
よし、OK!!
最後にカッコ付けていろいろ撮影してみた。
(画像をクリックすると拡大するよん)
う~~ん。良い♪
カーブの向こうから、列車が「ひょっこり」顔を出してくる光景を再現したかったのだぁ~~
電車は信州の大糸線を走る「E127系」だ。
かなりそれっぽく仕上がったのでは
最後にもう1枚。
(画像をクリックすると拡大するよん)
SLの「C11」が牽くローカル列車。
コレは「大井川鐵道」みたいなカンジでイイんでないかぇ~
------------------
★ 追記(2016年5月)
この切り通しの風景に似合う相棒を新たに作ったので、つなげてみた。
(画像をクリックすると拡大するよん)
なかなかイイんでないかい
この相棒は「トンネルの風景」と言う。
詳細は、すぐ下にリンク(つづき~)があるので、クリックして読んでね♪
------------------
さて、いかがでしたかな?
参考になったかなぁ~~~
ではまた~~~♪♪
| 固定リンク
「Bトレイン-レイアウト」カテゴリの記事
- お知らせ ~「特攻野郎Bチーム展示会」2022秋~(2022.09.26)
- お知らせ ~「特攻野郎Bチーム展示会」2020春~(2020.01.27)
- お知らせ ~「特攻野郎Bチーム展示会」2019秋~(2019.10.21)
- お知らせ ~「ひこね鉄道模型まつり(特攻野郎Bチーム展示会)」2019夏~(2019.05.27)
- お知らせ ~「特攻野郎Bチーム展示会」2019春~(2019.01.28)
コメント
スタイロちゃんはうちの人形製作でも最近よく使います。
もう少し厚みがあるといいのにね。
発泡スチロールは削ってると静電気でそこらじゅうに
くっつくので、霧吹き水吹いてから掃除してます。
カーブっていいよね~。
ほんのちょっと顔が覗くところが可愛い。
緑のグラデーションがたまりません。
今なら紅葉バージョンですね
投稿: ばんび | 2012年11月22日 (木) 10時24分
★ ばんびさん
スタイロちゃんは建築用なので、厚いのは需要がナイんですよねぇ~~~
緑のグラデーション、ホントは深緑と緑の間にもう1色欲しかったのですが「経費&工期節減」の名のもとに割愛しました。
数年後、リメイクする時には入れてみますか
秋のジオラマは色の表現が難しい....
投稿: まりりん | 2012年11月22日 (木) 11時11分
あの線路もペンチでバチン★と切るんだよね?
切り口ってかなりガタガタにならない?
(まだこの線路は使ったことがないんだ。)
ラスト(さび)って売られてない気がするんだけど 売ってる?
店員さんにも聞いたけどなかったの。
フォリッジ。おもしろいスポンジだ~♪って思って買ってるの。
でも今一つ使い方がよくわからなかったんだ。
なるほど♪勉強になりました♪(笑)
緑でも8色かぁ…。
ほんとキレイな緑の風景だね♪ 素敵ぃ~~。うけけ~。
投稿: ひめ子 | 2012年11月22日 (木) 12時45分
★ ひめぽ
この線路もペンチで切るんだよん。
切り口は金属のヤスリである程度整える。
今回はとなりの線路とハンダ付けしたから、多少のガタガタはハンダさんが覆い隠してくれたよ
ラストは基本シリーズの色ではナイので、大きな模型屋さんや量販店に行かないと売ってナイと思う。
ビンに書いてある数字(品番)が3ケタのヤツは、置いてある店がある程度限られている。
フォリッジは、何気に使い方が難しい。
オラも今までほとんど使ったことがナイ。
なので、ず~~~~っと家で眠ってたフォリッジ君をココでやっと使った。(笑)
斜面の部分にも、もう少し色の濃いフォリッジをほぐしたものを混ぜ合わせているよん。
これは写真では判りにくいよねぇ~~~。
ホントは高台ももう少し作り込みたかった…。
でも気力が出なかったッス
投稿: まりりん | 2012年11月22日 (木) 15時20分
まりちゃん!
ヽ〔゚Д゚〕丿スゴイ
かっけ~~~
グリーンの濃淡で遠近法…お見事じゃ!
木は私が作ってあげたいよ。
リアル木は使わないの?
ボンドとモス系でできそうな気がするよ。
いつかコラボしてみたいな~
投稿: あめぶる | 2012年11月22日 (木) 17時49分
★ 師匠ぉ
リアル木は、これくらいのサイズの模型だと、節や模様などが大き過ぎて使えませんのぢゃ
コラボ、待ってまっせぇ~~~~
投稿: まりりん | 2012年11月22日 (木) 18時56分
カーブからヒョッコリ顔出すとこ・・
メチャメチャ良い感じ~
緑が綺麗~
8色も使っているのには驚いたわ
投稿: piyoko | 2012年11月23日 (金) 09時21分
★ おピヨ
…任せろ。
投稿: まりりん | 2012年11月23日 (金) 14時18分
すごいね~手が込んでる
最初の見たら豪雪地帯を走る列車なのかと思っちゃった
さすがにそれじゃそのまますぎるよね
投稿: マリコ✿ | 2012年11月24日 (土) 06時36分
★ まりっぺ
さすがにソコまで手抜きは出来ない…
投稿: まりりん | 2012年11月24日 (土) 22時42分