ジオラマ日記 ~「ふみきり」の巻~
今回ご紹介するワンジオ「ふみきり」も、「特攻野郎Bチーム」の展示会用に作って、Bチームのホームページに掲載したもの。
Bチーム内の「第4回 ワンジオコンペ」エントリー作品。(テーマは「交差」)
我々Bチームで「ワンジオ(ワンショット・ジオラマ)」と呼んでいる、小形のジオラマだ。
小さなスペースに、いかに「それらしく」エッセンスを凝縮して再現するかが、腕の見せ所。
カンタンな様でいて、案外難しい…(プランを決めるまでが難しく、制作自体はカンタンだ)
このワンジオは、横に長いケースを使用した。
ベースのサイズは169mm×85mm。
今回はこれを縦長に使う。
イメージしたのは、「武蔵野の踏切」の光景。
中央線などの東京近郊路線にある、ごくフツーの踏切というカンジ♪
武蔵野の雑木林の間を走っているイメージ。
では、全部の方向から見てみよう♪
大きな鏡(後述)がある程度か…
土台はケースをそのまま利用。
ケースの土台の上に直接グレーの画用紙を貼り、道路を表現。
道路以外の部分は、その画用紙の上にバラスト(砂利)や土のパウダーを撒き、草木を接着する…という工程だ。
そして、正面。
ご覧のように、線路と道路が直角に交差している。
道路は裏路地で、なんとか車が行き違いできるくらいの幅だ。
…これで一周見て回った。
では、細部の解説を。
まず、地面の様子から。
土の部分は、グレーの画用紙に茶色い水性塗料を塗って、下地を整える。
その上に木工ボンドを塗って土のパウダーを撒いた。
(塗料やパウダー類の、素材の詳細はこちらの日記をご参照あれ)
土と道路の境目には草(緑のスポンジ)を接着して、境目を隠した。
特に何もしていない。
接着後は、指やツバなどで道路を汚さないように注意★
アップで見てみよう。
道路と土の境目には、ガードレールを配置。
KATO製の市販品を使用。
ゴム系ボンドで接着した。
ガードレールの切れ目には「踏切注意」の道路標識を建てた。
これもKATO製品をそのまま使用。
さらに、踏切のほうに行くと…
踏切(警報機類)はTSUGAWA(津川洋行)製品をそのまま使用。
道路の白いラインは、「デザインテープ」をそのまま貼っただけ。
(これも上記リンク先をご参照あれ)
こんどは、線路周りの詳細をば。
線路はKATO製の「フレキシブル線路」を切って使用。
ベース(画用紙)の上に透明ゴム系ボンドを塗り、その上に線路を置き、上からバラストを撒いて固着。
レールには水性塗料の「ウッドブラウン」を筆塗りしてある。
踏切板は、GM(グリーンマックス)製品を使用。
鏡に面するパーツだけ半分に切り、グレーに塗ってそのまま接着。
その踏切板のアップを…
そのまま通常通りに、線路と地面に接着している。
道路の不自然な継ぎ目を無くすため、グレーの画用紙を踏切板の上まで切らずに貼ってある。
線路の下の画用紙と道路の画用紙は、別々の紙だ。
このほうが作業が楽♪
黄色いゴム系ボンドがはみ出た所は、すぐに上から緑のパウダーを撒いて「 雑草」を表現してゴマかすと楽だ★
警報機の足元と踏切板の右端がそうだ。
線路側を見てみよう。
バラスト(砂利)は、ウッドランド製の濃淡グレーがブレンドされたタイプを使用。
もう少し豪快に盛っても良かったのだが、ココに電車が載って見えなくなるからイイや★(笑)
左側に鏡が来るので、画用紙に鉛筆で書いたラインからはみ出ないように修正しておこう。
さらにアップで。
線路と土の境目には、柵を配置。
これもKATO製をそのまま使用した。
柵の向きを、表裏間違えて接着しているジオラマを多く見かけるが、これが正解だからね★
柵の縦横の部品を留めているネジ(模型だとポチポチッと出っ張った所)を外すのは、自分(鉄道会社)の敷地からぢゃナイと出来ないからね。
他人様の敷地に勝手に入ってネジ外すことは出来ないでしょ?
実物の柵を、電車の窓からよ~~~く見てみなはれ。
車両ばっかり見ているでナイぞ★
柵の足元も、ゴム系ボンドがはみ出た所は、緑のパウダーで雑草を生やしてゴマかした。
この方法だと、ボンドが多少出過ぎたとしても、何の問題もなく自然なカンジに仕上げられる♪
線路の砂利と柵の間はワザと何も接着していない。
線路際の土は、保線作業員が歩いていて雑草すら生えないからだ。
灰色の部分には後で架線柱が建つ。
踏切板と地面の境目にも草を接着して隠している。
こうすると、細かくてメンド臭い処理が不要になるからだ♪
ジオラマをキレイに見せるコツは、とにかく「ハゲ隠し」だ★
つなぎ目や境目を草などで隠すと、とにかくキレイに見える。
実物も境目には雑草が生えてくるので、理に適っている♪
ココまで来たら、木を植えよう♪
木はウッドランド(KATO)製のものを使用。
葉っぱはスポンジとドライフラワーの草をそれぞれ接着した。
ケースに当たらないように枝を曲げておこう♪
緑は、色合いの違うものを多用すべし
そうすると、仕上がりが全然違~う♪
さぁ、次は車と人を配置しよう。
すべて市販の製品をそのまま使用した。
ゴム系ボンドをほんの少量、足裏やタイヤに付けて接着。
鏡をおいた時に、向こう側にも映り込むように配置しよう★
今回は鏡に反射するので、踏み切りの向こう側に同じのがいても不思議ではナイ人や車両を選ぼう。
郵便局員と軽トラなら、おかしくナイべ
人と車が接着できたら、右端の塀(生垣)を接着する。
塀はTSUGAWA製のものを、塗装だけしてそのまま使用。
レンガ部分は「ウッドブラウン」、格子の部分は「つや消し黒」を塗った
それを大きな厚手のボール紙に両面テープで貼り、上の部分には草のスポンジをボンドで接着した。
ボール紙には、事前に両面とも「マホガニー(こげ茶色)」を塗っておいた。
(下の写真を参照)
さて、行程上ではココで鏡の接着となる。
鏡面仕上げされたプラ板が売っているので、それを使用する。
(ガラス製の鏡では扱いが大変だし、フィルム状のは必ず表面が反って歪むので避けるべし)
今回のは、セールで買ったジオラマキットの中に入っていたものを流用した。
ケースに合う大きさに切り、背面に立ててゴム系ボンドで接着する。
グラつかないように、裏側には木材で補強しておいた。
鏡面はカンタンにキズが付くので、保護シールを剥がしたらゼッタイに触らないこと★
ティッシュで拭くのも厳禁!!
(それで前作「あぁ、みちのく。」の鏡はキズだらけになってしまった…)
最後の最後で、架線柱を取り付ける。
半分に切った複線架線柱を用意する。
今回はTOMIX製を使用した。
足元はゴム系接着剤で、鏡と接する面には両面テープを貼って接着。
固着される前に、鏡に映った柱が連続したキレイな1本に見えるように、位置を微調整する。
どうだい、キレイだろう♪
これを怠ると、鏡の視覚効果がまったく活かされなくなってしまう…。
この作業だけは慎重に★
これでジオラマ工作の作業は完了だ♪
最後に鏡を見ながら、歪みがナイか最終確認をする。
うん。道路が真っ直ぐ1本になってるね♪
そして、最後に車両を置こう。
今回は、「緑色に映える車両」ということで、オレンジ色の中央線201系の登場となった★
うん!イイ色合い♪
黄色の西武線にしようか迷ったけど、やっぱオレンジ色だね★
最後に、背景(青空)を鏡に反射させて1枚。
イケてるべぇ~~~♪
結構リアルだなや★
地上時代の「武蔵小金井(むさしこがねい)」駅付近っぽい雰囲気♪
青梅線の「立川(たちかわ)~東青梅(ひがしおうめ)」間って~のもイイね★
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…ま、これも比較的短時間で効果的に仕上がるので、ぜひぜひ作ってみてくだされ★
真似してもイイよん♪
ちなみに、ワンジオコンペでは6人中3位でしたとさ。
(ワンジオコンペの詳細は、特攻野郎Bチームのサイトをご覧あれ)
では、またぁ~♪
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コメント
まりりん様
そうです。
ジオラマは、プランを考えるのが重要ですね。
頭に、浮かんだ情景を形にして行くは楽しい。
何時か、HOで作るぞー。
アキバのセブです。
投稿: アキバのセブです。 | 2012年5月10日 (木) 07時50分
凄過ぎる~~~~(≧∇≦)
こんな素敵な物が作れちゃうなんて~
尊敬しちゃう゜.+:。(*´v`*)゜.+:。
近くで観ると本物みたいだよね(^_-)-☆
投稿: ミュウミュウ | 2012年5月10日 (木) 08時57分
★ アキバのセブさん
ひひひひひひ。
投稿: まりりん | 2012年5月10日 (木) 10時04分
★ みぅみぅ
では、コレを参考にして がむばってガン○ム作ってちょ
Enjoy
投稿: まりりん | 2012年5月10日 (木) 10時07分
小っちゃい~。可愛いんだね
踏切の所で道路が少し坂になってるのが、すごくリアルだわ。
ボンドのはみ出しはグリーンパウダーでごまかすのね
青空の背景は写真撮るときだけ反映させてるの?
この大きさならマイコレクションにぴったり!
よだれ出てきた~
作ってる時間ないので大人買いって駄目?
よ・し・ず・み~みんみん
投稿: ばんび | 2012年5月10日 (木) 10時29分
まりちゃん、お見事!
食いつくところが電車じゃなくて悪いんだけど、
柵や塀の足元の、溢れた砂利や、そこに生える雑草がすごくリアルだよ。
あとね、質問だけど'`ィ (゚д゚)/
鏡面に映ってる青空ってどうやって撮ってるの?
投稿: あめぶる | 2012年5月10日 (木) 11時03分
★ ばんびさん
青空は、撮影の時だけカメラの横に青空の紙を置いています。
このような作品は、別のサイトで販売していま~す
右の「おすすめリンク」の一番上にある「B-Dash」をクリックしてみてねん
すべてまりりんと友達の手作り作品です
投稿: まりりん | 2012年5月10日 (木) 14時28分
★ 師匠ぉ
さすが匠、食いつくところが狙い通り
塀などの雑草は、改めて雑草だけ接着しようとすると、まず上手くいきません。
だったら、最初にボンドを多めに付けてわざとハミ出させておく作戦のほうが上手くいくかも……でやってみたらビンゴだったというワケです
「手抜き」を逆手に取った作戦で~~~っす
青空は、カレンダーの青空部分をカメラの横に並べて立て掛けて、鏡に映るように角度を調整しています。
これがなかなか難しくて、手が4本くらいないとうまく固定できません…
また、撮影できる角度も限定されてしまいますので、何度も試行錯誤してやっと取れたのがこれらの写真で~す
投稿: まりりん | 2012年5月10日 (木) 14時45分
やっぱり まりちゃんは凄いや…。
素直な感想でした。
では 再びお勉強に戻ります。φ(・ω・ )メモメモ
投稿: ひめ子 | 2012年5月10日 (木) 15時05分
★ ひめぽ
鏡を使う方法は、何十年も前から知られている技法なんだけど、今みたいにプラ板の鏡とかが無かったから普及しなかったんだよね…
さすがにガラスの鏡を切断したりするのは一般家庭では出来ないよねぇ~
家の中でもどこかに部分的に使ってみぃ~
部屋が広く見えるようになるから
投稿: まりりん | 2012年5月10日 (木) 15時35分
すごいですね!!ほかにもつくってください。
投稿: ジム | 2012年10月 4日 (木) 00時11分